DIPパレットは、フローはんだ工程で基板を搬送しながら、はんだ面側の表面実装部品を熱から守る治具です。
製作を検討するときに「どんな材質で、どう設計すればいいのか」と迷われる方は少なくありません。
この記事では、当社がDIPパレットを設計するときの推奨値と、材質の考え方、製作の流れを整理します。
1. DIPパレットの役割
DIPパレットの最大の目的は、はんだ面側の表面実装部品をはんだの熱から保護しながら、DIP部品をはんだ付けすることです。
パレットを使うメリットとして、マスキング工数の削減、基板への負担軽減、部品落下防止などがあります。
2. 設計ルール(推奨値)
当社がDIPパレットを設計する際の推奨値です。
| 記号 | 項目 | 推奨値 |
|---|---|---|
| A | エッジ幅 | 5〜8mm |
| B | 基板端〜エッジ | 20〜30mm |
| C | マスク部分〜パレット底板間 | 0.5mm |
| D | パレット底板厚さ | 1mm以上 |
| E | パレット壁厚さ | 1mm以上 |
| F | 部品側面〜パレット壁間 | 1mm以上 |
| G | マスク部品〜DIP部品ランド間 | 2mm以上 |
| H | マスク部品ランド〜DIP部品ランド間 | 3mm以上 |
| I | マスクする部品高さ | 4mm以下 |
基板側の部品配置がこの推奨値に収まらない場合も、削り込み形状の工夫で対応できることが多いので、まずはデータをお送りください。
3. 材質:標準はリコセル(耐熱黒ガラエポ)
DIPパレットの材質には、フローはんだの熱に繰り返し耐えること、熱で反りにくいこと、はんだが付着しにくいこと、削り込み加工がしやすいことが求められます。
当社で製作するDIPパレットは、耐熱性に優れたガラスエポキシ材であるリコセル(耐熱黒ガラエポ)がほとんどです。
厚さは5mm・6mm・8mmが基本で、その他の厚さも対応します。パレットの厚さや削り込みは、コストと耐久性を考慮してご提案します。
材質や厚さをお客様に決めていただく必要はありません。データを拝見して、こちらからご提案します。
4. オプション:ブリッジキラーとテフロンコーティング
- ブリッジキラー:開口部に壁や板を設けることで、はんだを遮断または誘導し、ブリッジの発生を抑えます
- テフロンコーティング:パレット表面にフッ素コーティングを施し、はんだの付着を抑えて耐久性を高めます
5. 製作の流れ
- ガーバーデータ、開口部・はんだ面部品高さの指示、希望搬送幅、サンプル基板をお送りください(データがない場合は生基板からでも設計可能です)
- 当社で設計し、図面と3D画像をお送りします。完成イメージを確認したうえでご承認いただけます
- 製作・納品
6. よくある質問
- 材質は何を選べばよいですか? → リコセル(耐熱黒ガラエポ)が標準です。データを拝見して、厚さも含めて当社からご提案します
- ガーバーデータがありません → サンプル基板や生基板からでも設計できます
- パレットの厚さは? → 5mm・6mm・8mmが基本です。基板の部品高さや搬送機の仕様に合わせてご提案します
- パレットの寿命はどのくらいですか? → 使い方によって異なるため一概には言えませんが、寿命が近づくとパレットに反りが発生し、再作製となるケースが多いです
- 推奨値に収まらない部品配置でも作れますか? → 削り込み形状の工夫で対応できることが多いので、まずはデータをお送りください
7. ご相談について
「こういう治具が作りたい」というゼロベースのご相談にも対応しています。DIPパレット以外の搬送キャリア・レシーブボードなども含め、まずはお困りごとをお聞かせください。
→ お問い合わせ/0267-62-8898
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監修:株式会社タク技研 工場長 新海正明